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海外の旅レポ・ベトナム

連載60歳、初めての海外ひとり旅第3話 / 全3話目次を見る →

「えっ、シムが繋がらない…」ベトナムの空港で固まった私。
2時間の悪夢

「えっ、シムが繋がらない…」ベトナムの空港で固まった私。2時間の悪夢
ベトナム、着いたんでしょ?
アジくん

着いた着いた。 2024年9月16日、お昼の12時すぎ。 初ベトナム、タンソンニャット空港に、ちゃんと降り立ちました。

着陸したばかりの機内の窓から見たタンソンニャット空港の滑走路と芝生

降りた。

フライトは約5時間。 日本とベトナムの時差は2時間あるから、 朝9時に名古屋を出て、ちょうどこちらのお昼どき。

パリ行きの飛行機が出るのは、この日の22時50分。

つまり、ベトナムは10時間まるまる遊べる。

たっぷりあるじゃん、いいねえ
アジくん

そう思うでしょう。と・こ・ろ・がっ

周りのスマホが、楽しげに鳴りだした

飛行機が停まって、シートベルトのサインが消えて。 みんながいっせいにスマホを取り出すでしょう。

そうしたら。

ぴぽ。 ピポン。 ぴこん。

あちこちで、通知の音が鳴りはじめたのよ。 現地の電波をつかまえた音。みんな笑顔で画面を触ってて。

でもね。

私のスマホは、鳴らない。

え?まったく?
アジくん

ええ、しーん、よ。しーん。

第1話で 「この先、私は本当にたくさん失敗します」と言ったでしょう。 これが、その一番目。

タンソンニャット空港の駐機場に並ぶベトナム航空の機体と管制塔

窓の外はもうベトナム。なのに私だけ、まだ日本にいるみたいな孤立感…

準備万端のはずなのに

ここがいちばん悔しいところなんだけどね。 こんなはずじゃなかったのよ。

海外でスマホを使うには、現地の電波を借りる仕組みがいるでしょう。 昔はカードを差し替えたり、Wi-Fiの機械を借りたりしたけれど、 いまは「eSIM」って、スマホの中に契約をダウンロードする形が主流。

私もこれに乗り遅れまいと、半年かけて調べて、これがいちばんいいと決めて、 日本にいるうちに、きちんと契約して出てきたのよ。

オラフライ(Holafly)という会社の、eSIM。

うふころ
だから、鳴るはずだったの。私のスマホも

先頭で抜けたのに、取り残された

飛行機を降りて、まず入国審査。ここはすごく順調。 なにしろ私、スーツケースを持っていないんだもの。

前の話で、荷物はパリまで通しにしてもらったでしょう。 だからベトナムではスーツケースの受け取りがない。手荷物ひとつきり。

だから、同じ便の人たちの中で、ひと足早く外へ出られて。

やるじゃん
アジくん

でもね、この間も、ずっと繋がらないのよ、スマホが。 繋がらない、繋がらない、とやっているうちに——

同じ飛行機で来た人たちが、ひとり、またひとりとターミナルをあとに。 気がついたら、まわりにはほとんどお客さんがいなくなってた。

うふころ
いちばんに出たはずの私が、いちばん最後に取り残された。

空港じゅうの椅子を、渡り歩いた

とにかくネットに繋がらないと、一歩も動けないの。

だってこの日は、Grab(グラブ)という配車アプリで移動する計画だったからね。 スマホでタクシーを呼ぶ仕組み。 空港内は公共Wi-Fiがあるからいいけれど、 一歩出たらスマホが繋がらず、 Grabを呼びようがないじゃない。

足がない
アジくん

そうなの。だから、空港から出られなかった。

場所が悪いのかなと思って椅子を移って、また試す。 だめ。また移る。また試す。 設定の画面を開いて、あちこちオンにしたりオフにしたり…

タンソンニャット空港のターミナル、植え込みのふちに座ってスマホを見ている人たち

みんな、スマホを見ている。私だけが、見ても何も起きない

そのうち、だんだん、頭痛がしてきた。

その時の手書きのメモが手元に残ってるんだけど、

「繋がらない。なんで?!」 「時間ばかりが過ぎて、冷汗」

必死だ。字も乱れてるし
アジくん

そりゃあね(笑)

すると、長椅子に日本人らしき女の子たちを発見!

もう、わらにもすがる思いで話しかけたわ。 こういう状況で困っているんです、って。

そうしたらね。

その子たち、普通に繋がってるの。

同じようにやって、ちゃんと使えてる。 どうして私だけできないのか、その子たちにも分からないって。

思い当たることは、ひとつだけ。

私のスマホは、いわゆる格安の通信会社のものでね。 後で調べると、「日本の格安SIMのプロファイル」と 「海外eSIM」の相性がよくないことがあったり、 端末の中で邪魔しあうことがあったりするんですって。 ただね、これって日本にいるうちに 「ちゃんと繋がるかどうか」を試しておけないのよ。 現地に入って、初めて分かること。そこが賭けよね〜。 とはいえ、ほとんどの人たちは大丈夫みたい。運が悪かったのかなあ。

じゃあ、すぐに解決したの?
アジくん

……それがね。この話、フランスまで続くのよ。

こわくはなかった。悔しかった

とはいえ、いざとなれば空港でSIMカードを買えばいい。 それは分かってたの。なんとかなるって。

じゃあ何だったかというとね。

意地です(笑)。

半年かけて調べて、これがいちばんと選んだものが、使えない。 その状況が、気持ち悪くて。悔しくって。

だから引き下がれなくて、粘りに粘って、 結局、2時間も悪戦苦闘してしまった。

10時間のうちの2時間だよ
アジくん

そうなの。返ってこないのよ、その時間は。

ものの数分で、終わった

ようやく腹をくくって、まずは両替所へ。

空港内のSIMカードはね、現金でないと買えないみたいだったから。

配車アプリはカード払いだし、大体の場所はカードが使えるだろうし、 現金はそんなにいらないと思って、両替は最小限にするつもりではいたんだけど、 頭が回っていない。焦った状態で両替所へ。えいやっと。

ここでね、ベトナムのお金がまた曲者なの。

ベトナムドンは、桁が大きいのよ。 1,000円が約164,000ベトナムドン!もう、頭がバグるでしょ。 めちゃめちゃ大金に思えちゃう。 ゼロがずらっと並ぶものだから、惑わされてしまって。 確か2,000円分くらい両替しただけだけど、

うふころ
ずいぶんたくさん両替しちゃった……という、錯覚。

じっさいは、ぜんぜん足りていなかったんだけどね。

それ、のちのち効いてくるやつ
アジくん

……そう、効いてくるのよ。このあと、再び、ホーチミンの街でピンチ到来よ。 その話は、また次回。

さて、やっとSIMカードのカウンターへ。 どこも同じぐらいの価格だったので、目があった愛想のいい元気な女の子にお願い。

カードを差し替えて、ちゃんと繋がるところまで確かめてくれて。

ものの数分。それで終わり。

悪戦苦闘の時間が嘘のようだね
アジくん

もうっ(笑)

とりあえずホッとして、

もやもやした頭が、スーッと晴れた。

そこからは順調。 日本で調べておいた「手荷物預かり所」にショルダーバッグを預けて、 身ひとつになって。 やっとGrabを呼べたのが、14時半ごろ。

ホーチミンのGrabの車内から見た、バイクで埋め尽くされた道路

窓の外は、バイク、バイク、バイク

さっきまでの苦労がうそみたい。

使えるのは、残り8時間。

楽しむぞー

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うふころのひとことメモ

◆ ひとりで粘らない。カウンターへ行く。

これが、この日いちばんの反省です。

私は2時間ねばりました。でもカウンターにお願いしたら、数分でした。 差し替えも、ちゃんと繋がるかの確認も、その場で全部やってくれます。

到着ロビーにはSIMカウンターが揃っています。 もし事前に準備したeSIMがうまく繋がらなくてつまずいても、 現地で物理SIMを買ってしまえば一発解決。 少し割高でも、貴重な滞在時間を無駄にしないための 心強い保険になります。

ただし、ひとつだけ。 私が買った時は、現金でないと買えませんでした。 カードで払うつもりでいると、両替から始めることになります。 だから空港では、先にいくらか替えておくと安心です。

15分やってだめなら、もう人に頼む。 そう決めておくだけで、旅はずいぶん快適になります。

◆ 重い荷物は、空港に預けてしまう。

タンソンニャット空港の到着ロビーには、Locker Room という 公式の荷物預かり所があります。 私もここに手荷物を預けて、身ひとつでホーチミンの街へ出ました。

ベトナムの道は、段差が多くて、バイクもたくさん走っています。 そこをスーツケースを引いて歩くのは、正直、体力の無駄づかい。 乗り継ぎの数時間でも、遠慮なく預けてしまうのがいいと思います。

場所は、国際線ターミナルの1階。 到着ロビーを出たら、そのまま右へ進みます。 外の通路に「13番」「14番」と書かれた大きな柱があって、その近くのカウンターです。 言葉が通じなくても、荷物を見せれば通じます。

ここでも、支払いは現金(ベトナムドン)の先払いです。 カードは使えません。だから、やっぱり先に両替なんですよ。

料金は1時間いくら、という数え方で、 10時間を超えると1日いくらの定額になります。 2025年の時点で、3時間で500円ほど、丸一日で1,700円ほどが目安のようです。

——ただ、こういう金額は変わりますから、行く前にご確認くださいね。

この続きは、これから書くからね。またのぞきに来て〜

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